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電信ソフト(Hermes)   Hermes とは何か  

Hermes(ハーメス)はマウスやキーボードをモールス信号の電鍵に見立て、MIDI音源 を利用して発音するフリーソフトです。打鍵するとその符号をリアルタイムに分析 し、翻訳した結果を文字表示します。英文・和文の両符号に対応しています。打鍵 した内容は音楽フリーソフト Muse のデータとして保存できるので、Muse を介して MIDIファイル化が可能です。Windows95/98/Me/NT/2000/XPに対応しています。
(注) Hermes は、通信を司るギリシャ神話の神様です。

Hermes(ハーメス)をダウンロードします

Hermes 開発の経緯

 2000.12.17 (開発決意まであと236日)
岐阜県に在住の住奥さんという方からメールを頂く。 モールス通信を趣味とするアマチュア無線家の方。 音楽ソフトMuseを使って「モールス符号」を作成したとのご報告。 音楽以外にもこんな形で使用されて、開発者冥利に尽きる。 メールの趣旨はMuseで正弦波を出す方法はないかと問い合せであった。 矩形波やのこぎり波では電信らしくないらしい。 添付されていたMuseデータはフルートが使用されていた。 早速、バリエーションに正弦波がないか調べてみる。 あった! 矩形波のバリエーション8。 ついでに、コメント化されていたテキストを *TEXTで表示させるようにデータを改変して参考として送付した。 また、以下のようなマクロ利用も提案してみた。
今回のデータをながめていて思い付いたのですが、
Museのマクロ機構を用いたら、面白い物ができそうだと感じました。

つまり、
$C{r4/r8//r4/r16┃__┃}
$Q{r4/r/r8//r4┃_┃}

という様にマクロ定義しておき、実際の送信データ作成時は、

${C}${Q} ${C}${Q}

と記述するのです。
英文と五十音のすべてのマクロを定義しておけば、
まさに、モールス信号のように組合わせで、文章を構築できます。
面白そうですね。
ちなみに、住奥さんのデータには、 'ホレ '「' 'ラタ '<' という文字と記号が入っている。 これは一体なんだろう? 興味があったので返信メールで質問を添えた。
 2000.12.19 (開発決意まであと234日)
早速、住奥さんから返信があった。 前回の私の提案はまだ試していないようだが、ホレとラタに関して教えて頂けた。 それぞれ「和文電信に入る」と「和文電報が終了した」の意。 JIS7方式のシフトイン・シフトアウトみたい。 でも、JISコードよりも電信の方が歴史が古いんだろうなぁ~。
 2000.12.20 (開発決意まであと233日)
昨日に続いて、住奥さんからメール。 正弦波が出たそうだ。 住奥さんの音源が、バリエーションに対応していて良かった。 テキスト表示にも驚かれた様子。 マクロについてもいろいろ実験されている模様。 とても、向学心豊かな方だ。 マクロ名に全角が使えないのでしょうか? と質問を受けた。 残念ながら現在のMuseでは使えない。 代りに、かな漢字変換の辞書に登録するという方法を提案してみた。 例えば、“け”と打って変換すると“${ke}”となる方法だ。 如何なものだろう? 住奥さんのホームページも情報が満載だ。 アクセスすると、Museを使って作り上げたモールスMIDIが高らかに響く。嬉しい。 さらに日赤高山地区無線奉仕団という 無線を通じての社会奉仕という世界も知った。
 2001.01.02 (開発決意まであと220日)
住奥さんから、年賀メールが届いた。 モールス符号のデータも添付されている。 電信を聞いても私には内容がわからないが、例のマクロ記法を使っているので、 データを覗くと可読できるのが楽しい。 Museでモールス符号を作成し、MIDIエクスポートして仲間に披露しているとのこと。 CQ誌編集部とも顔なじみのようで、もしかしたら住奥さんってアマチュア無線界の 大御所では? 大変な人とお知合いになれたかも。
 2001.01.27 (開発決意まであと195日)
関東平野に大雪が降った。 住奥さんのメールはそのお見舞の言葉から始っていた。 CQ誌にMuseによるモールス符号のMIDI化に関する記事を掲載する 手筈になっているとのこと。とても嬉しい。 CWハムの仲間が、WMAファイルのモールス音を送ってきたとのこと。 アヒルが鳴いているような音であまり良いとは思えない。(失礼) WMAファイルとは何かと聞かれた。 私が知りうる範囲で、以下のように返信した。
wmaファイルは、Microsoft社が提唱する新しい圧縮型音声ファイルです。
拡張子は、Windows Media Audio ファイルの略となっています。
MP3と全く同じ目的ですが、後発であることもあり技術的には更に進んだ
スペックを持ちます。同一音質では、より高い圧縮率を持つなどです。
MP3が淘汰されるとは思えませんが、Microsoft社の事ですから、
今後かなりの勢力を得ると思われます。

さて、WMAに関して2つのフリーソフトを紹介します。

1つは、Waveファイルをwmaに変換するもの。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se158078.html

今ひとつは、MP3ファイルをwmaに変換するもの。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se172873.html

以上です。
情報がお役に立てれば幸いです。
 2001.02.16 (開発決意まであと175日)
住奥さんからのメールによると、CQ誌3月号に掲載が決ったとのこと。 同様の記事をHPにもアップしてくれている。とてもわかりやすい。 先日提案した、かな漢字変換辞書登録の件までしっかり記載されている。素晴しい!
 2001.04.05 (開発決意まであと127日)
住奥さんからメール。あとみっくわーるどのHPがアクセスできないという クレームが2名の方からあったそうだ。 どうやら、アドレスが変ったことが伝わっていないらしい。 この変更は、かなりのアクセス数低下を招いているだろうなぁ~。 単に、.or.が.ne.に変わっただけだから尚更まぎらわしい。
(従来) http://village.infoweb.or.jp/~atomic/soft/software.htm

(現在) http://village.infoweb.ne.jp/~atomic/soft/software.htm
(注)2004.6.22現在、更にアドレスが変わっています。   http://homepage3.nifty.com/~atomic/muse/muse.htm
 2001.07.20 (開発決意まであと21日)
MIDIファイルを「みぢ」と表現する方からメールを頂いた。 ハンドルネームからして、ハムの方らしい。 既存のMIDIモールスデータをmid2musで変換し、正弦波に書換えたいとのこと。 ハーモニカ音のMIDIデータが添えられていた。 確かに情けない音だ。やっぱり正弦波が良い。 正弦波に変更したMuseデータも添付されていた。 見ると住奥さんが広めているモールスマクロで記述されている。 住奥さんが、Museを紹介してくれたのかな? mid2musを送付するメールで、その件を尋ねてみた。
 2001.07.21 (開発決意まであと20日)
「みぢ」の方から返信が来た。 ハムのコールサインだけで、まだ本名がわからない。 ハムの世界ではコールサインだけでコミュニケーションするのが常識なのかな? それはさておき、Museを紹介したのは住奥さんではなく、まったく逆だった。 つまり、「みぢの方」が住奥さんに紹介したそうだ。
 2001.07.22 (開発決意まであと19日)
「みぢの方」からmid2musの変換が素晴しいとのメールを頂いた。 この日は住奥さんからもメールが来る。 「みぢの方」は高倉さんという方であることがわかった。 ちなみに、住奥さんのメールにはいつも末尾に「GB 73」と打ってある。 これは一体なんだろう? 住奥さんにメールで聞いてみたら、その日の内に返信あり。
GBは good bye     の意味
73は best wishes   の意味で男性に使います
88は love and kisses の意味で女性に使います
とのこと。なんだか洒落ているなぁ~。 今度使ってみようと思った。 住奥さんのメールには、またモールス信号のMIDIファイルが添付してあった。 例によって、私には何が打たれているのか全然わからない。(笑) 住奥さんにもmid2musを送付した。 今日はメールのやり取りが激しい。
 2001.07.27 (開発決意まであと14日)
猛暑が続く。 mid2musに触発されたのか、住奥さんがマイクから入力した録音波形を MIDIファイルにするソフトがないか訊ねてきた。これは難しい。 難しいことを説明するのも難しい。(笑)
 2001.07.29 (開発決意まであと12日)
高倉さんから、何の話題を書いているのか訳が分らないメールが届いた。 3つの電信ファイルも添付されているが、意味不明だ。 1つはMIDIファイルで何が打たれているのか内容がわからない。 もう1つはmid2musで変換後のMuseデータで、やはり内容がわからない。 最後の1つだけ、ローマ字マクロを使っているMuseデータで内容がわかった。 しかし、メール本文の内容を理解する助けにはならなかった。
 2001.07.30 (開発決意まであと11日)
高倉さんからメール。 前回のメールは、文頭の引用マークを付け忘れた状態で、私にとっては未知の方の メール文章が散りばめられていたという事がわかった。なるほど、訳が分からない はずである。これを知って、とっても安堵した。 一瞬、高倉さんってちょっと危ない人かなぁ~なんて思っちゃった。(笑) 要は、西田さんという方にmid2musを譲って欲しいということだった。 西田さんともコミュニケーションしてみたかったので、直接私にメールを 出すよう勧めて下さいと高倉さんに依頼した。 すると、その日の内に西田さんからメール。 その内容に感動した。
(前半部省略)

電信の符号も,電鍵の操作によって,ずいぶん違って来ます。
つまり,文字を書くのと同じように,符号にも個人差があるのです。
ですから,やはり自分の符号でメッセージを作りたいと思うわけです。

加藤さんのソフトも私には使い方も良く理解できていませんが
出来ましたら,ぜひそのソフトを譲って欲しいのです。

電信と,音楽はまったく関係ないように思われますが,
それが以外になことにモールスの音も,音楽なのです。
電信の符号にもリズムがありまして,聞いていましたら
子守唄に聞こえ,眠くなってきます。

アマチュア無線も,電信もまったく知らず,偶然にこの世界に
飛びこみ,このモールス信号に魅された原因がこんな所に
あるように思います。

自分で手打ちの符号が作れる様になりましたら,次には
HPを作成して,私の持っている電鍵を,モールス信号で
紹介したいです。
自作の電鍵をいただいた物がたくさんあり,私一人で楽しむには
もったいないので,同じ趣味の人に見てもらいたいなぁ・・・と。

加藤さんは電信にはまったく興味もないと思いますがこんな勝手な
お願いをして,申し訳ございません。
どうぞよろしくお願いします。
モールス信号に対して、このような観点で接したことはなかった。 実に、刺激的な発想だ。 mid2musを送付した。 ちなみに、西田さんは女性の方。
 2001.07.31 (開発決意まであと10日)
高倉さんから、西田さんへのmid2mus送付のお礼メールがきた。 なんだか高倉さん、西田さんのお父さんみたい(微笑) 高倉さんが、符号をMIDIファイル化しているソフトを紹介してくれた。 CY10というもの。マウスクリックで符号を発音し、それを録音するらしい。 でも、音源によって鳴らないという不具合があるそうだ。 多分、出力するMIDIの初期化イベントが完全ではないのだろう。 そこで高倉さんは、mid2musで一度Muse化し、改めてMuseでエクスポートして MIDIファイルを作り直すという作業をしたかったそうだ。 西田さんからもmid2musのお礼のメールを頂く。 彼女もCY10というソフトを使っている模様。 ちなみに、面白いことを彼女から教わった。 コールサインの3桁目の数字は、 その本人がアマチュア無線を開局した時点の地域・エリアを示すそうだ。 2が中部。5が四国。9が北陸。
 2001.08.01 (開発決意まであと9日)
高倉さんから、WIN_CWというフリーソフトが送られてきた。 外付けマイクで電信音を拾うと、解読して文字にしてくれるという優れもの。 早速、今まで頂いた電信データでトライ! でも、どうもうまく行かない。(悲) 家のマイク、性能悪いからなぁ~。 モールスのMuseデータも添付されていた。 でも、mid2musでの変換データなので、例によって私には内容がわからない。(悲)
 2001.08.05 (開発決意まであと5日)
西田さんと高倉さんにメールを出した。 フリーソフト情報を頂いたお礼と、 ∥ ∥本当はmuseにキーをクリックしたら音を録音できる機能があったらと思ってしまう ∥我儘な私なのです。。。。 ∥ という高倉さんの呟きに応答するもの。 以下のような構想をメールに書いて送付してみた。
パソコンのキーボードのどっかのキーを電信のキーに見立て、それで電信入力
していくと、正弦波が鳴り、更に直接正弦波のMuseファイルを出力する。
電信コードをリアルタイムに解釈し、それを表示していくウィンドウも付いている。
その結果はMuseファイルに出力されるが、Museファイルはテキストだから、
電信内容をコメントとして出力することも可能。
MIDIに変換したければ、Museで読込んでエクスポートすればよい。
これがあれば、皆さんの電信内容を加藤のような素人でも文字で確認できる。
...と書いたものの、CY10とWCW_CWを組合わせれば上記の内容は実現できますな。 まあ私の出番はないでしょう。
 2001.08.06 (開発決意まであと4日)
西田さんからメール。 昨日の構想に関しての反応。 何度もの変換作業が要らなくなるので、ぜひぜひ作って下さいと言われてしまった。 確かに、いくつものツールを組合わせるのはちょっと面倒かな。 でも、バッチを組めば今までの作業は簡素化できるだろう。 高倉さんからもメール。 彼が行っている符号データ作のプロセスの紹介をしてくれた。
現在は
(1) CY10で符合の時間的な部分をみぢにして
(2) mid2musでむすファイルに変換してそれを
(3) むすフアイルをテキストにして
(4) @A P81/8 R0 W0 Q0 ;"楽器の種類の変更"で正弦波にして
(5) Museソフトでエクスポートしています。
この中にあるCY10とMuseはフリーソフトなので
やりたいと言う方が居られたら圧縮されたもとファイルを送付できますが、
mid2musはフリーソフトではないので、こちらから送ると言うわけには行きません
なるほどねぇ~。 巡り巡って、mid2musの配布制限(私が設定したものではありますが)という 理由から、昨日の構想を実現する意義はある訳か...。 しかし、高倉さんって、MIDIファイルのことを「みぢ」というだけではなく、 Museデータのことも「むす」って言うのね。(笑) mid2musは、「みぢにむす」って呼んでるんだろうか?(爆)
 2001.08.07 (開発決意まであと3日)
例の電信ソフトに関して「ちょっと検討してみます」とご両人に返信した。 まだ、本腰を入れて設計する気にはなれないが、 空いた時間を見繕っては、徒然なるままに考えてみようと思っている。
 2001.08.08 (開発決意まであと2日)
高倉さんから2つの添付ファイルのあるメールが届いた。 1つは、電信ソフト開発の参考にと短符号の長さを示したMuseデータ。 想像していたよりも短い。とにかく打点がド速い! やっぱり、その道を極めた人は違うなぁ~。こんな速さに追従できるソフトが作れるだろうか? そもそも何を電信しているのか、さっぱりわかんないような私が...。(笑) もう1つのファイルは、画像ファイルだった。 マウスと並べてモールス打鍵の装置が写っている。 どうやら、高倉さんはマウスの端子にこの装置を接続して使用しているらしい。 これも本格的で凄い。 今回の2つの添付ファイル、電信ソフト開発に対するプレッシャーを感じてしまう。 西田さんからもメールを頂いた。 電信MIDIファイルをお友達に配布して、 皆さんから「すごいねー」と言われたと書いてある。 文面に嬉しさが溢れていた。
 2001.08.09 (開発決意まであと1日)
住奥さんからメール。 「モールスソフトを作られているそうですね。」 と書かれてあった。 どうやら、メールで伝言ゲームが起こり 「検討している」が「作成中」に変化した模様。困っちゃったなぁ~。 最高にFBです!(Fine Business)と書かれている。 そうかぁ。FBってFine Businessの略だったのか。 よく住奥さんのメールにFBと書かれていたけど、聞きそびれていた。
 2001.08.10 (開発決意日)
電信ソフトを作ることを決意した。 住奥さん、高倉さん、西田さんへ同報発信で、その意を伝えた。 ソフトのポリシーは以下の通り。
 ・スペースキー/下矢印キー/マウス左右ボタンを電鍵に見立てる。
 ・和文/英文の両者に対応する。
 ・MIDI音源による正弦波の発音を行う。
 ・発音の音程をある程度切り替えられるようにする。
 ・リアルタイムに打鍵を解析し、その文字を表示する機構を設ける。
 ・解析パラメータとして、打鍵速度を切り替えられるようにする。
 ・打鍵速度調整の簡便性を鑑み、パラメータは短打点長1つに集約する。
 ・打鍵したデータはMuseデータにセーブ可能とする。
 ・データをMIDI化したい場合は、Museを介してエクスポートさせる。
 2001.08.11 (試作完成まであと21日)
高倉さんと住奥さんから、それぞれソフト作成開始に対するお礼のメール。 西田さんは広島に行っているとのこと。 バグキーというものの存在を、住奥さんに教えてもらった。 米国のバイブロキーのトレードマークが bug であるところから bug key と いわれているそうだ。 ソフトの世界では嫌われるキーワードが、ハムの世界ではブランドなんですねぇ~。 マウスの右ボタン/左ボタンが丁度あてはめやすいけど、 今回は単純な電鍵方式のみの対応とし、バグキーは今後対応とすることにした。 まずクラシックな電鍵が、ちゃんと動作することが目標だ。 高倉さんのメールには、モールスのMuseデータが添付されていた。 テキスト領域に“静かな湖畔”の歌詞が出てくる。 電信で歌ってる!?
 2001.08.12 (試作完成まであと20日)
西田さんからメール。 電鍵の種類を教えてもらった。 エレキー・タテブリ・バグキー・複式とあるそうだ。 何が、どう違うのか良くわかんないけど、結構奥深い世界ですねぇ~。 私のような表層的知識のみで、電信ソフトなんて作れるのでしょうか。心配。 電信MIDIも添付されていたが.... もちろん、何が打たれているのか私には内容がわかりません! ←自慢してどうする>私(笑)
 2001.08.26 (試作完成まであと6日)
開発する電信ソフトにはリアルタイムな符号解析の機能を付けようと思っている。 自分自身が電信をヒアリングできないので、私がつまらないからだ。 しかし、短符号と長符号の長さの比とか、文字と文字の間の間隔など、わからない ことが多すぎる。インターネットで検索をかけて調査しようと思っていた矢先、 住奥さんからメールが来た。 まったくGTである。(Good Timingの略)←ただし私が勝手に作った省略記法(爆)
① 一つの長点の長さは、 3短点に等しい
② 一字の符号(例えば ”カ” )の中の符号間隔は1短点の長さ
③ 二つの文字(例えば”カ___ト” )の文字間隔は3短点の長さ
④ 欧文の場合、word と word の語間隔は7短点の長さ
これこれ、まさしくこの情報が欲しかったのです! バーチャルバグキーのホームページも紹介してもらった。 なるほどねぇ~。バグキーってこういうものだったのか。 高倉さんが送ってくれた画像ファイルに写っていたのも、 この電鍵だったんだな。とっても面白い。
 2001.08.27 (試作完成まであと5日)
私のホームページ“思索の散歩道”を立ち上げたので、住奥さんに紹介したら、 早速、住奥さんから返信メールが来た。
様々な思索を整理したい---、
自分を元気付けたい---
自分探し、自分史--- ジャンクリストフのように思い、
悩み思索を散歩するのもいい---。
わおっ!住奥さんもジャンクリストフお読みでしたか! 短符号、長符号の比率はわかったが、一体どの位の速度で打鍵するのか知りたくなった。 もちろん、速度調整は可能にするつもりだが、それにしてもその範囲が知りたい。
 2001.08.28 (試作完成まであと4日)
住奥さんからメールが来た。
なお、短点の長さですが電信符号は「1短点」から「20短点分」位の
集合体で構成された符号(文字)ですから一概には言えませんが、
普通「1短点」30msec~150msecです。(通信速度で違うわけです)

電信符号速度で1分間に20字から150字くらいの速度が使われて
います。従って任意に短点パルス幅可変の必要がありますので宜しく
お願いいたします。
また、厄介なことに短点と長点の比が1:3でなく1:4などと変化
をつけることを楽しみにしている人もいます。(然し基準は1:3)

また、バーチャルバクギーのようにマウスでバグキーを打てたら最高
ですね。(マウスの反応速度にタイムラグがあると無理ですが---)
大変おもしろいと思いますので是非一度お考えになってください。
ううっ、それは私も考えたのですが...。 マウスの左右ボタンに長短打鍵を割り当てるなんて、誰でも考えますよね。 でも初版は古典的な打鍵でスタートすることにします。お許し下さい。 今度の電信ソフトの仕様について。 ホレ・ラタの和文開始/終了も、そのまま解釈することにした。 より臨場感を出すためだ。そもそも、和文の“ン”と英文のピリオドが 同じ符号であることに気づいた。 やっぱりこの世界でもコード重複があるんですねぇ~。厄介です。 [HH]とか[AR]とかわからないなりにも、特殊コードもサポートすることにした。 でも、[AS]の意味がまったく良くわからない。 住奥さんに聞いてみよう。
 2001.08.29 (試作完成まであと3日)
住奥さんからメール。 昨日確認のために送った符号表に対して、VY-FBとある。 VYって何?Veryの略かなぁ?? [AS]は「少しお待ちください!」の意味だと教わった。 また、メールの末尾によく「 Hi 」とあるが、これは笑い声のことだそうだ。 (笑)って奴ですね。 電信の世界の方が、メール文化より先にこの心情表現を編み出していたんですねぇ~。
 2001.09.01 (試作完成日)
電信ソフトが完成した。 Hermesと名付けた。ハーメスはギリシャ神話の通信の神様。 Hermes(V0.1)としてお三方に送付。 結局入力したデータはMuseファイルとして出力することにしたので、 ギリシャ神という関わりで攻めてみた。アイコンもMuseのものを基調にした。     五線譜を電線に見立てました ←これがアイコンです。 でも、基本品質のチェックは自分で出来るのだが、実際の打鍵解析に関しては、 情けないことに自分ではほとんど動作確認が出来ない。(涙) 送付したその日の内に、西田さんから返信が来た。 でも、Hermesを起動した状態で、Muse演奏すると「MIDIデバイスをオープンできません」 と警告が出るとのこと。その通りなんです。 Hermesは、どのタイミングから打鍵を始め、どの段階で打鍵終了かが はっきりしないので、MIDIデバイスを占有する仕様になっている。 確かに、[打鍵開始]ボタンと[打鍵終了]ボタンを付ければいいのだけど、 初版からゴチャゴチャした感じにしたくなかった。 住奥さんからもメールが来た。まだ使っていないけど、まずは御礼とのこと。 期待外れに思われなければいいけれど...。
 2001.09.02 (リリースまであと41日)
高倉さんから、Hermesの御礼メールが来た。 使用後レポートを送ってくれるとのこと。 Hermesで高倉さんが作成したHermesデータが添付されていた。 内容がわかるぞぉ! 嬉しいなぁ~。 西田さんから、Hermesを閉じたらMuse演奏が出来たとのこと。 う~む。やっぱりいちいちHermesを閉じるのは面倒くさいかな。 127文字以上の文字がMuseでカットされちゃうとの追加質問もあった。 ごめんなさい。これも仕様なんです。HermesというよりMuse側の仕様です。 それにしても、初日から西田さんはかなり使い込んでくれてますねぇ~。 西田さん作成のHermesデータが添付されている。 内容がわかる!嬉しい。でも、テキストエリアからはみ出しちゃいますねぇ~。Hi 夜になって再び高倉さんからレポートが届いた。 またまたHermesデータ付きのメール。 和文/英文の切替符号は「ホレ」「ラタ」だけど、 間違えて、「ホレ」「タラ」としていた点の指摘。 うう、完全なポカミスです。 「惚れたら、だめよ」なんて感じになってしまいました。(笑) もう一つ、残響があって聞きにくいとのこと。 W0 R0 Q0 を出力できないか、との具体的な指摘を頂いた。 そうか、MIDIの残響の初期値は R20 であることを忘れていた。 早速修正。それにしても、電信マンの耳は素晴らしいですねぇ~。 更にもう一つ。濁点の打鍵は、それが付く文字とくっつき気味になるらしい。 考えてみれば確かにそれが自然だ。現在の Hermes では、律儀に離さないと 符号解析に失敗する。そこで、すべての濁点(ついでに半濁点も)を1文字として 扱うことにした。 西田さんからも夜になってまたまたメールが来た。 いろいろ遊んでいるとのこと。 でも寝る時間が遅くなってしまうと結んであった。 こういってもらえると嬉しいです。 Hermesデータの添付あり。
 2001.09.03 (リリースまであと40日)
西田さんからメールが届いた。 メール本文にはほとんど内容が書いておらず、添付のHermesデータにしたためてある。 う~む。バグキーかぁ....。
 2001.09.05 (リリースまであと38日)
住奥さんからメールあり。 どうやら、ソフト音源特有の発音の遅れが生じている模様。 どうすればいいかと問い合わせてきた。 困った。Hermes側ではどうしようもない。 遅れ時間を調整できる音源もあるので、まずはMuseで音源名を調べてもらおう。
 2001.09.08 (リリースまであと35日)
Hermes(V0.2)をお三方に送付。 今回は高倉さんが指摘してくれた、 残響の件・濁音の件・惚れタラの件(笑)を修正したもの。
 2001.09.09 (リリースまであと34日)
高倉さんからHermesデータ付きのメール。 彼の使っているMIDI音源の1つに「音楽ツクール95+」というのがあるそうで、 それで鳴らすと音が遅れて鳴るそうだ。多分ソフト音源なのだろう。 でも、こればっかりはこちらでは対処できないんだよなぁ~。 更に、3つのアドバイスを受けた。
(1)スペースがない。7短点でスペースと解釈すると良いらしい。
(2)Museデータにした後、「括弧がない」というエラーが出る。再現データ添付。
(3)セーブ後のデータは残響が無くクリアになったが、ハーメス自体の発音に残響あり。
早速、(1)を組込んだ。(2)は添付データが文字化けしていた。コード変換したら うまくいった。(3)はポカミスですねぇ~。ハーメス自体の発音時にR0を音源に 送るのを忘れてました。(苦笑) 住奥さんからもメールが来た。 パソコンに搭載されている音源は、
・YAMAHA AC-XG WDM XG
・GS Wavetable SW synth
・WDM-based Device MIDI
の3つで、富士通のパソコンにはじめから搭載されているものだそうだ。 しかも、3つとも遅れがあるという。もしかしたら、音源のせいではなく パソコン自体のデータ転送機構に不備があるのかもしれない。 ご子息のパソコン(音源はDS-XG-synth)だと、まったく遅れがないらしい。 電信データが2つ付いていたが、残念ながらHermesデータではなく2つともMIDIファイル。 →( 一応Hermesによって作成したようではあるが、1つ目は解読失敗の<?>ばかり並んでいた。(トホホ) でも2つ目は、まあまあ解読できてるみたいですねぇ~。 この日の内に高倉さんご指摘の(1)(3)に対応したHermes(V0.3)を、お三方に送付。 その日の内に、西田さんからメールが来た。 スペースが入って打ちやすくなったとのこと。 でも、和文で「お元気ですか?」と打とうとすると「お元気ですか<?>」と なってしまうとのこと。そりゃそうです。和文には?コードを入れていません。 解釈できないので、エラーメッセージとしての<?>が出てるんですねぇ~。 早速、和文にも?コードを入れましょう。
 2001.09.10 (リリースまであと33日)
住奥さんからメール。 発音遅延に関していろいろトライしている模様。 でも、ご子息のパソコンならうまくいくのに、ご自分のパソコンだとNGとのこと。 やっぱり、パソコン自体の性能に起因しているんじゃないかなぁ。 もう一つ指摘あり。ハーメスを使っていると、符号がソフトに矯正されたタイミング になってしまうとのこと。う~む。リアルタイムに符号解析するのを横目で見ながら 打鍵していると、そうなるだろうなぁ~。例えば、リアルタイムに弾いた音が譜面化 されてディスプレイされるピアノがあったら、さぞかしピアニストは弾きにくいでしょう。 3つもHermesデータが添付されていた。1つ目は速い打鍵ですねぇ~。<?>だらけでした。(笑) →( 高倉さんからメール。 文字間がもう少し短くても文字として認識できた方がよいとのこと。 現在の2/3ぐらいが良さそうだとのアドバイスがあった。 定量的な指示で大変助かる。Hermesデータも2つ付いていた。→( あまりに頻繁にバージョンアップするので、高倉さんが混乱してしまい 誤解メールを発送した件について書かれている。<?>の打直しなどもあって面白い。 それと「ホレ」は“和文に入る”だが、和文中でも表示できた方が良いとのこと。 論理的には意味はないと判断して入れなかったのだが、実際の電信では“区切り” としてよく打たれるそうだ。こういった事は電信経験がないとわからないものだ。 和文中の?について、高倉さんからも指摘あり。
 2001.09.11 (リリースまであと32日)
Hermes(V0.4)をお三方に送付。 ?を和文の解釈対象とし、文字間のインターバルを2/3に縮めて解析するようにした。 この辺の調整は、実際の打鍵で行うしかない。 現在、ハーメスは以下の4つのパラメータを持っている。
・短符号と長符号を区別する長さ
・音の間隔と文字の間隔を区別する長さ
・スペースを入れるかどうかを判断する長さ
・改行を行うかどうかを判断する長さ
この4つを独立にレバー調整させるという仕様も考えられるが、複数パラメータの 調整は困難を伴う事が多いという経験から、ベストな比率をハーメス自体に 組込みたい。その故をお三方に伝えて、丁度良い比率を教えてもらうことにした。 早速、西田さんからメール。とても使いやすくなったとの事。嬉しい。 仕事疲れが吹飛んだと言ってくれた。すごく嬉しい。 広島の友達が作ったテレフォンカードより小さいタテブリ電鍵で入力したという Hermesデータが付いていた。タテブリ電鍵ってどんなものなのだろう? 住奥さんからもメールあり。2つのHermesデータ付き。→( 2つ目のデータは、高倉さんへ向けたもののようだ。 ご子息のパソコンにバグキーを接続して試したところ良好とのこと。嬉しい。 ただいくつかアドバイスがあった。 Key interval を 最大にfast側に寄せても、まだ遅いとのこと。 ひぇ~。皆さん、打鍵が速いんですねぇ~!
 2001.09.12 (リリースまであと31日)
高倉さんからメール。 すばらしい解読力だと書かれている。 やったぁ~!(喜) 貿易センタービルにテロリストのハイジャック機が突っ込んだ件ではじまる住奥さんからのメール。 地球上で“正義”を主張し合う人間同士がぶつかり合っている...。 古今東西、人類はずっとこれを繰返してきた。これからも続くのだろうか、“正義の主張”闘争。 “民族の正義”なんて、所詮「幻想」なんだと思うのですが...。 電信マンの80%が和文電信が出来ないということを住奥さんから教えてもらった。 その意味で、電信マン同士でも今回のハーメスとの解読機構は役に立つとのこと。 よかったぁ~。よけいな機構を付けてしまったかなと少々後悔していたので、 心が救われた。 夜になって再び高倉さんからメール。2つのHermesデータ付き。→( やっぱり、きめ細かい4つのレバーが欲しいとのこと。 う~む。高倉さんレベルの方だと、欲しいだろうなぁ~。 でも、パソコン初心者の方にとっても、親しみやすくするためには、やっぱり 調整レバーは少ないほど良いと思う。とりあえず、初版は1レバー方式で行きたい。 それにしても、添付されるHermesデータが日増しに長くなってくる。 よくこんなに長時間打ち続けられるなぁ~。 きっと、皆さんは喋るように打鍵できるんだろうと思う。
 2001.09.13 (リリースまであと30日)
住奥さんから、発音遅延の件に関する実験レポートが届いた。 あまりの凄さにビックリ仰天。残念ながら難しくってほとんど理解できない。 波形の画像も添付されていた。
定量的な測定器(シンクロスコープ)の観測が必要と考えHermes符号② と
無線電信受信機の標準電信波形① を観測し、その観測データーを採取しました
ので取り敢えず報告します。

入力信号は、同じバイブロキーの短点による連続矩形波。
出力信号波形は、無線電信送受信機の出力波形① とパソコンのスピ
ーカー端子から得られた低周波波形② によりCRO観測。

双方の比較波形の考察は、標準電信符号波形① に比べて、HermesV
0,4 にてMus,fileを作成時のモニター音波形② は明らかに相違がある
ことが分かりました。( 音源はDS-XG-synthesizer 使用 )

1、②波形のシエイプフアクターは、フロントポーチ及びバックポー
  チに、それぞれトランジット歪み(位相の乱れ)があります。

2、①波形に対して、②波形の横軸 [ t2 ] は 133% とかなり長い。

3、従って、実質スペースは②波形が  ①波形に比べて 34% 短い。
  (その transit によりスペース及び短点が影響される)

4、フロントポーチ及びバックポーチの過渡特性部分のもつ周波数
  は同一周波数。

5、しかし、上記トランジット部分の振幅は マイナス7db 。(人間
  の耳では左程の減衰はなく実質パルス幅は長く感じる)

以上のシンクロスコープ波形観測により、微妙な符号のタイミングの
乱れが発生、微妙なキーイングの打ち難さがあるように感じました。
なお、波形観測データーを添付しました、ご参考になれば幸いです。 
う~む。これはもうハードウェアの世界だなぁ~。
 2001.09.15 (リリースまであと28日)
Hermes(V0.5)をお三方へ送付。 高倉さんや住奥さんのアドバイスに従って、解析パラメータを調整したバージョン。 夜、西田さんからメール。 西田さんは、V0.4の段階で充分満足しているとのこと。 嬉しい。
 2001.09.16 (リリースまであと27日)
高倉さんからメール。2つのHermesデータ付き。→( スペースと改行の判断インターバルについて、定量的なアドバイス。 とっても助かる。すぐに手直しした。 住奥さんからもメール。 例の発音遅延に関する分析が続いている。
音源の波形を観察すると, 標準短点符号より過渡特性の部分だけ符号長
が34%ほど変化しています。またスペース部分がそれだけ規定値より短く
なっています、この辺りの補正値が鍵になりそうです。
やはり、難しい。 ハムを趣味とされる方はハードウェアに強いんだなぁ~。
 2001.09.17 (リリースまであと26日)
高倉さんの定量的アドバイスを反映したHermes(V0.6)をお三方に送付。
 2001.09.18 (リリースまであと25日)
高倉さんからメール。 大体、期待どおりの出来と書かれている。 Hermesデータも付いていた。
 2001.09.19 (リリースまであと24日)
住奥さんからメール。 時折、不整脈を起したり、文字表示に若干の注意が必要だが、この辺をわきまえれば 充分使えると書いてある。良かった。そろそろ、正式リリースしようかな。
 2001.09.22 (リリースまであと21日)
高倉さんからメール。 短符号と長符号を区別する長さを現在の1.6から1.4の比率にして欲しいとのこと。 了解です。この修正をしてHermes(V0.7)をお三方に送付した。 それと、マウスで非常に速く打鍵したときに、短符号の数がおかしくなるそうだ。 その症状を起すWavファイルと、Hermesデータが添付されていた。 他のソフトでも同様の症状があるとのこと。ダブルクリックの抑止制御はしている ので、多分転送速度の限界を越えているのだと思う。なんせ、皆さん打鍵が速いですからねぇ~。
 2001.09.24 (リリースまであと19日)
住奥さんからメール。 MuseFileを作るときに、Hermesではなく別の音で符号を打つときの回路図が送られてきた。 これを使えば音の遅れが無関係になるとのこと。
 2001.09.29 (リリースまであと14日)
高倉さんからメール。 嬉しい内容が打たれているHermesデータが付いていた。 Hermesは一応、落着いた動きをしているとのこと。 安堵、安堵。(^v^)
 2001.10.08 (リリースまであと5日)
住奥さんからメール。 知合いの方にハーメスのモニタを依頼してくれたようだ。 それらの方々からのレポートが添えられていた。 とりたてて、具体的な要求はなさそうだ。 でも、結局実際に電信でやり取りする方が手っ取り早い! という感想が多いように感じた。...実は私もそう思う。(笑)
 2001.10.13 (リリース日)
Hermes(V1.0)を正式に公開することとした。 公開場所は、我がホームページ“思索の散歩道” 加えて、Vectorにも公開申請を依頼しておいた。
 2001.10.19 (リリース後6日経過)
Vectorから登録報告が来た。
 2001.11.13 (リリース後31日経過)
月刊アスキーの1月号にHermesを掲載する話が来た。 へぇ~。こんな類のソフトでも採用してくれるんだ! とっても嬉しい。
 2001.11.16 (リリース後34日経過)
「@ガッテン」というフリーソフト紹介サイトからメール。 Hermesをユニークなソフトとして紹介したいとのこと。 よろしくお願いします。 でも、リンク先が何故かMuseのHPになっている...。 まっいいか。(笑)


本ページ公開後、高倉さんと西田さんが、 本文にある“電信のみの符号”を解読し、掲示板に掲載してくれました。 ありがとうございます。

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