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このような定理が実際にあるかどうかは知りませんが、Sa,Sb,Scの値が分かっていて
このSの値を求めるような問題ならどこかで見たことがあります。
それと全く同じやり方なのですが、だいたい次のような証明で問題ないと思います。
まず、下のように言い換えて、その上で証明します。
「xyz空間のある平面上に面積Sの図形があり、その図形をyz平面に正射影したものの
面積をSa、zx平面に正射影したものの面積をSb、xy平面に…をScとした時、(0もあり得る)
S^2 = Sa^2 + Sb^2 + Sc^2 が成り立つ。」
この図形を含む平面をπ、その単位法線ベクトルを(α,β,γ)とする。
このとき、πとxy平面のなす角をθとすると、Sc=Scosθになる。
また、ベクトル(α,β,γ)とz軸のなす角は、θと等しくなるので
Sc=Scosθ=Sγ. 同様にしてSa=Sα、Sb=Sβ.
α^2+β^2+γ^2=1なので、
S^2=S^2*(α^2+β^2+γ^2)
=Sa^2+Sb^2+Sc^2. ■
なお、こういう意味での角度の厳密な定義をよく覚えていないのですが、
一応0≦θ≦πのものとして考えています。平行なもののなす角を0と表せないのなら
いくつか別にして示す必要がありますが、どちらにしてもそれらはすぐ求まります。
ちょっと言葉足らずの所もあり、厳密な証明になっているかは分かりませんが、
一応書き込んでおきます。それでは。
ところで、ついでに、これを私なりに証明してみたので紹介します。
「加藤4平方の定理」の代数的解法
目的図形の存在する平面HのX、Y、Z軸を切る点をA,B,Cとし、
それぞれの原点からの距離をa,b,cとする。
XY平面に着目すると、
直線ABの原点からの距離 d は x/a+y/b=1 より
d=1/sqrt((1/a)**2+(1/b)**2)=ab/sqrt(a**2+b**2)
平面HとXY平面の交差角 t は tan(t)=c/d だから
cos(t)=1/sqrt(tan(t)**2+1)=ab/sqrt((ab)**2+(bc)**2+(ca)**2)
平面Hの図形の面積をS、平面XYへの投射図形の面積をSxy とすると
Sxy=S*cos(t)=S*ab/sqrt((ab)**2+(bc)**2+(ca)**2) で、
a,b,c は循環対称だから
Syz=S*bc/sqrt((ab)**2+(bc)**2+(ca)**2)
Szx=S*ca/sqrt((ab)**2+(bc)**2+(ca)**2)
よって以上の3式の平方和を作ると
Sxy**2+Syz**2+Szx**2=(S**2)*((ab)**2+(bc)**2+(ca)**2)/((ab)**2+(bc)**2+(ca)**2)=1
よって S**2=Sxy**2+Syz**2+Szx**2
Q.E.D.
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